経営相談ワンポイントアドバイス 銀行の考え方として、借入金の返済は最長10年以内。返済が可能であれば事業を継続する意味がある。

■質問内容

卸売業者からの相談。
社長の年齢68歳、5年前は4億円程の売り上げがあったが、先代社長が他界した当時から売り上げが減少した。最大で1億円近くの借入があったが、5,000万円までは返済した。
3年前からリスケ中で現在の売上は1年間で8.000万円~9,000万円、後継者はいない。現状のままでは返済が終わるのが200年後ということなので、10年後には廃業したい。
廃業するにあたり、長年お付き合いのあるお客様にはご迷惑をかけられないし、今後の生活もあるので、自社のお客様を同業会社に移行し、その会社に現社長が就職するという方法を考えているのだが、問題はないか?自宅も残したいのだが?

■アドバイス

① 銀行の考え方として、借入金の返済は最長10年以内。現在5,000万円の借入残ということなので、単純に計算すれば年間500万円の返済となる。これが可能であれば事業を継続する意味がある。なければ、廃業は有力な選択肢。
廃業の選択をした場合、完全に止める場合とお客様を同業会社に移し、従業員としてその同業会社に勤める場合の2通りがある。同業会社に現社長が就職することに問題はない。
② 自宅を残す場合は、自宅不動産が担保に入っている場合と入っていない場合で異なる。
1)  自宅が担保に入っている場合
不動産の時価相当額を何らかの形で用意して、第三者の名前で不動産を買い取り契約して住み続ける。買い取り資金は、事前に計画して貯めるか、または、7割相当額までであれば他の銀行から借りることもできる。
2)  自宅が担保に入っていない場合
できるだけ早く、安価な金額で身内の方に売買という形で不動産所有権を移動すべき。銀行対応は返済できる金額のみを売却代金から返済し、身内の方の名義のまま住み続ける。

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

TOP