経営相談ワンポイントアドバイス 負の資産を一掃、現在の会社をリセットする必要がある

■現状

トランクルームを運営している社長からの相談。
社長70才、奥様は65才で経理と監査役も行っている。子供はいない。ここ3年ぐらい赤字は出ていなかったのだが、今期は現時点で800万円程の赤字が出ている。会社として銀行の借入が9,000万円、税務署の滞納1,000万円、社会保険料の滞納500万円でその他にも業者からの借入が500万円程ある。
資産として、担保の付いていない時価1.3億円程の自宅の土地と建物を所有している。
後継者はいない。

■相談点

最近始めた新たな事業を今後展開して行きたいのだが、現在の会社をどのように処分して、新たな事業を始める会社を立ち上げれば良いか?

■アドバイス

現在の状況では負の資産を一掃、現在の会社をリセットする必要がある。その為に「会社を廃業する」と宣言する。“破産”ではない。破産だと200万円程の費用が掛かってしまうので、“廃業”を宣言する。

■対応

① 将来の会社の事業性を再度検証する。事業性がないと判断したら、債権、債務の一覧表を作成して、支払い可能な債務と不可能な債務に分ける。
② 銀行借入以外は保証人になっていないはずなので、保証債務一覧表を作成する。銀行からの借入金をプロパーと保証協会付に分ける。
③ 保証協会への代位弁済額の返済は、例え毎月数千円でも良いから支払い続ける。プロパーに関してはサービサーへの債権譲渡の時の対応を考える。
④ 税務署の滞納1,000万円については会社が廃業すれば納税義務はなくなるので、税務署に真摯に説明する。
⑤ 業者からの借入金は10%~50%以内で返済可能な範囲で返済する。
⑥ 経営者の自宅等は家族の人に予め移転しておく。
以上、やることを計画的に進める。

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