経営相談ワンポイントアドバイス 1.廃業後の生活の確保 2. 不動産をいかに守るか? 3. 2,000万円の返済はどのようにするか?

■現状

業種:省エネ空調等の卸・施工を主とした事業
創業後3年間は、何時止めるかとばかり考えていたが、4年目の2018年に、初めて黒字となる。売上2,000万円で150万円の黒字、2019年は売上1,500万円で数十万円の黒字であった。
しかし、2020年、2021年と1,000万円弱の売上に減り、今期は全くどうしょうもない状況となっている。上期は前年比で売上100万円減、下期の状況によっては挽回可能であったが、下期に入ってから全く動きがなく廃業を考えている。

■質問内容

廃業するにあたり、金融機関からの借り入れが1,000万円(保証協会分2行500万円と政策金融公庫500万円)あるので、個人の不動産を担保に兄弟から借入し全額返済を考えているが、会社への個人貸付(生命保険借入と妻からの借入)が同額程度あり、回収しなければ今後の生活の見通しが立たない。
現在まで、借入返済の滞りはない。どう進めたら良いか?

■アドバイス

整理すると
1.銀行借入1,000万円(保証協会保証分500万円と日本公庫500万円)
2.妻からの借入
3.生命保険会社からの借入  2.3で計1,000万円
合計:2,000万円の借入残
将来の事業の見込みが立たないので廃業したいが、どのようにしたら良いか?との相談。廃業を前提にすると考えなければならないことは、
1. 廃業後の生活の確保
2. 不動産をいかに守るか?
3. 2,000万円の返済はどのようにするか?
上記の順番で考える。

《対策》
1. 廃業後の生活の確保
廃業時における借金の残を早急に返済しないで良いと考えて、廃業後は就職するか、新たに事業を起こすか、地方で農業、林業、水産業その他、人手不足の業態で仕事をする。
2. 不動産をいかに守るか?
この不動産が現在の自宅だとすると
① 担保に入っていなければ、所有権の移転をして住み続ける。
② 担保に入っていれば、リースバックをして住み続ける。
③ 引越しをして良ければ、売却して精算する。
3. 2,000万円の返済はどのようにするか?
(妻と生命保険会社からの1,000万円の借入について)
1年後に廃業する計画を立てて、その間に妻への返済と生命保険会社への返済は利益を作って行う。機械等の設備も売却して返済に充てる。
(銀行からの1,000万円の借入について)
今から銀行借入と日本公庫の返済はリスケする。保証協会分は代位弁済とする。このリスケによって生じた銀行返済分の余剰資金は、妻や保険会社への返済に充てる。
上記の1~3をしっかりと計画を立てて実行すること

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