経営相談ワンポイントアドバイス 未払い金よりも依頼者の生活の確保を優先する

■現状

業種:工務店、年商:1,800万円で利益はトントン、3年前に前経営者から事業を引き継ぎ、代表者変更登記をしている。代表者は45歳、配偶者35歳、長男14歳、次男9歳。
自宅は12万円の賃貸アパートで会社事務所も兼ねている。銀行やカードの借入は行っていない。12月に70万円、1月30万円の入金がある予定である。
問題は、3年間税務署への申告を行っていないことと、買掛金の未払いが18社で1,400万円ほどあり、毎月32万円程の約束返済額なのだが守られていない。また、家賃も6ヶ月間支払っていない。

■相談点

12月の買掛金支払いの目処が全く立たず、今後どうしたら良いのか分からない。

■アドバイス

〇未払い金の支払いのことよりも依頼者の生活の確保を優先させる。
家賃を除いた家族4人分の生活費、12月、1月の2ヶ月分44万円(22万円/月)を
入金予定額100万円から優先的に確保する。
〇過去に支払っていない分の家賃を12月分から1万円上乗せして、計13万円ずつ
支払って住み家を追い出されないようにする。
〇12月、1月の入金合計100万円から“生活費44万円”、“家賃24万円”を引くと
32万円が残る。
〇12月、1月の入金に対する買掛支払い32万円に対して、上記の内“20万円”を
支払う。
〇買掛未払い金が18社で1,400万円あるということに対しては、各社に5,000円を
持って訪問し、「現在、支払えるのはこの5,000円だけであり、残金は今後、一生懸命営業をやってお支払いする。」と伝え、その後は毎月5,000円の現金を持って訪問する。目的は、債権者を味方に付けて仕事を作ってもらうことである。
〇この会社は廃業して、第二会社を従業員に設立してもらい経営は継続する。

■ポイント

1. 先ずは、社長と家族の生活を確保すればその先がある。これをしないと、全員が不幸になる。
2. 仕入業者を味方に付けて、仕事を作ってもらうことによって早く返済する。
3. 毎月5,000円を持って買掛未払い先を訪問することに意味がある。

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