経営相談ワンポイントアドバイス 洋装店の廃業と飲食店の開業は別々に考えなければなりません。

■質問内容

洋装店を営まれている社長様から現在の事業を廃業し、新しい事業を開業する方法についての相談。

父の代から家族で洋装店を40年営んでいます。形態は個人事業です。
最近ずっと赤字が続いています。自分も高齢になったので廃業したいと思っています。

息子は、洋装店をやめて飲食店を開業したいと言っています。銀行からの借入残が3,000万円ほど残っています。一階がお店で二階が自宅となっています。その不動産には担保が付いています。

洋装店を廃業して息子の言うように飲食店を開業するとしたら、銀行にどのように言えばいいでしょうか?

■アドバイス

① 洋装店の廃業と飲食店の開業は別々に考えなければなりません。
② 自宅兼店舗の不動産価値がいくらなのかを調べます。その価値額と銀行からの借入残の
3,000万円とを比較します。
<例>
・自宅兼店舗の不動産価値: 8,000万円
・銀行の借入残額: 3,000万円
・飲食店の開業資金借入可能額:(8,000万円×70%)- 3,000万円=2,600万円
③ 現在の銀行借入残額3,000万円と飲食店開業借入資金2,600万円の合計5,600万円を
5年で返済が可能かどうかです。支払い利息も含めると極めて難しいです。
④ 現在の借入残の3,000万円は10年間の返済で銀行に交渉する。可能ならば20年間の
交渉をします。これならば、自宅を失わず年金の範囲内での返済も可能です。また、一階店舗を賃貸する方法もあります。
⑤ 飲食店は自己資金の範囲で計画すべきです。
⑥ 先ずは、高齢者夫婦が安心して生活できる状況を作ることが大事です。

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