7月8日のセミナーが、「中小企業振興」新聞に掲載されました

7月8日に行われた東京商工会議所文京支部のセミナー(講師:松本光輝)の様子が、 『中小企業振興』新聞(平成25年8月1日号/中小企業基盤整備機構発行)に掲載されました。

多くのファンづくりを ~「事業再生請負人」 松本光輝氏、講師に~

東京商工会議所文京区支部は7月8日、東京・春日の文京シビックセンターで「中小企業が生き残るための経営のヒント」と題するセミナーを開いた。

講師は「事業再生請負人」として知られる事業パートナー代表取締役社長の松本光輝氏。松本氏は集まった約50人の中小企業経営者らに対し、2015年までの日本経済の予測、金融機関の態度などを念頭に置いた上で、資金不足の解消の仕方や、利益を確保する手法などについて解説した。とくに当面はいたずらに顧客拡大を図るのではなく、「いかに多くのファンをつくるかだ」などと独自の経営理論を述べた。

これまでに350社以上の事業再生を手がけ、1社も倒産させていないという実績を持つ松本氏はまず、中小企業が資金不足に陥った場合に経営者が考えるべき事は、「資金不足と倒産とは違う」ことだと指摘。その際の対処法としては、不足額を正確に計算した上で、銀行や取引先、税務署などに支払い猶予を要請し、その間に不足した原因を探して対処すべきだとした。とくに「家から(個人の)お金を持ってくることだけは絶対にしてはだめ」と強調した。

このセミナーのサブテーマは「利益を出し続ける仕組みを作るには」。松本氏は赤字を出さない経営手法についても詳述。その中で、日本経済は2015年までは不況が続くと予測。不況時には、顧客は必要なものはできるだけ安く買うが、欲しいものは高くても買う姿勢が続く。その間は銀行も融資先の選別を続けると予想されるため、「今しなければならないことは、まず事業上の無駄などを整理し、生き残ることを目的とすべきだ」と述べた。

そのうえで、好況時でも不況時でも利益を出す仕組みを作るには、売り上げ目標ではなく、まず利益目標を決めた上で、その利益を確保するために何をするかについて議論を重ねることと、出金は入金の範囲内に納めることの2点を指摘。「赤字は経営者として恥じなければならない」と強調した。

このほか、資金繰りや社員のやる気を起こさせる方法、商品・サービス開発への考え方などを述べた上で、経営者が考えるべき事は「何をしたいのか、それをいつまでにしたいのか、そのためにはどうすべきか」の3つだけだと指摘。事業拡大のために常に新しい顧客を求めると継続的に費用がかかり、アイデアがマンネリ化し、商品やサービスのアフターフォローに目がいかないなどの弊害が出ることから、自社の商品やサービスについて「選択と集中で一つだけ最高のものにして、多くのファンを作ること」が不況時を乗り切る経営戦略だと結んだ。

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