経営ワンポイントアドバイス 先ずは、自宅を手放さないような処置が必要

■質問内容

現在資金繰りに窮している。毎月の銀行返済が苦しい。このままでは倒産して、自宅も売却しなければならなくなるのか?
銀行の返済を軽減できないものか?

■現状の会社の状況

■現状の会社の状況
製造業、今期で31期目。直近の年商売上3億5,000万円。
過去3ヶ年で15%売上が低下。それにつれて営業赤字が拡大し、債務超過に至る。発注先からの受注減少と値下げ依頼が、主な悪化原因。
銀行借入れは4行で1億8,000万円の残額。自宅の時価は、約3,000万円で住宅ローンの残額が約1,000万円。

  借入残額 毎月の元金返済額 保証協会
A地方銀行    7,000万円 120万円   一部有り
B信用金庫    5,000万円  80万円 有り
C信用組合    4,000万円  70万円 有り
D日本政策金融公庫    2,000万円  30万円 なし

合計 1億8,000万円 300万円          

■アドバイス

先ずは、自宅を手放さないような処置が必要。自宅の時価3,000万円と住宅ローンの残額1,000万円の差額2,000万円が最悪、差押えの対象となる。

① 親族の方に依頼して、住宅ローンの残額1,000万円を支払って所有権の移転をする。その1,000万円は長期の分割返済とし、親族の方の名義で住み続ける。
② 事業の将来性の確認。事業規模を縮小して固定費が少なくなれば事業を継続していけるかを精査する。
③ 向こう3年間の事業計画書を作成する。収支計画に基づいて、銀行にリスケの要請をする。(銀行としては、会社に資金がなければ応諾せざるをえない)
④ 今後、資金を銀行から当分の間は借りないという覚悟があれば、保証協会に代位弁済を依頼することも考える。そうすれば、資金繰りは一気に楽になる。
⑤ 最終的には銀行へ債権譲渡・放棄の依頼も視野に入れる。その前に、自宅を住み続けられるような所有権移転の対策が必要。

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