経営相談ワンポイントアドバイス 高齢夫が社長の会社の借入金は今後どうなるのか

■質問内容

高齢の夫が、現在会社の社長をしている。夫は銀行からの借入金の保証人にもなっている。2年前に銀行からの借入金は保証協会に代位弁済された。現在は、会社の業績が悪いために毎月5万円を保証協会に支払っている。
このままだと完済するのに40年もかかってしまう。これから、どうなっていくのか?

■アドバイス

保証協会とは、中小企業支援のために設立された組織。よって、一般の銀行のように契約事項の履行を強制的に迫ることは一般的にはない。つまり、債務者の状況を勘案して支払い方法を決めることができる。また、担保に入っている自宅を即時に競売にかけられるということもない。現在の自宅に住み続けたいという希望があれば、その旨を保証協会に相談して支払い方法等を納得してもらえば、自宅に住み続けることが可能な場合もある。

このケースの課題となることは2つある。

①保証債務の承継の問題
②現在、支払っている毎月5万円の将来金額の問題
①保証債務の承継の問題
現在、保証人が夫である社長一人しかいないという場合であれば、保証協会への支払い義務者は現在の会社と夫である社長。
会社が存続して、夫である社長が死亡すると、
1)新しい社長が死亡した保証人に代わって保証人となる。
※必ずしも法定相続人の保証債務がなくなるということではない。
2)会社を廃業した場合には、法定相続人が保証債務を引き継ぐ。
のいずれかとなる。

2)の場合は、被相続人の資産を売却して返済をする。返済しきれない場合は、保証協会との相談となる。被相続人(死亡した夫)に全く資産がない場合は、相続放棄をすれば良い。対策としては、保証人に資産が無いという状況を事前に作り出しておくことである。

②現在、支払っている毎月5万円の将来金額の問題
保証協会への支払い方法は、6ヶ月ごとに会社の決算書または試算表を保証協会へ見せて“いくら支払いが可能なのかを相談する。”ことになる。これが、会社が続いている間は永遠に続く。つまり、支払額は会社の経営状況次第ということ。

《完済するまで40年という問題》
現実には40年ということは考えられない。
1)会社廃業と相続放棄で終了
2)会社の業績改善で支払額増額
3)政府の方針で一定額の債務免除
等が考えられる。

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